[schoo(スクー) WEB-campus]映画監督、紀里谷 和明さんの「クリエイティブを生むための発想法」

[schoo(スクー) WEB-campus]映画監督、紀里谷 和明さんの「クリエイティブを生むための発想法」

schoo(スクー) WEB-campusとは、オンラインで様々なジャンルの授業を受けることができるWEBサービスです。
今回、無料で受けられる授業『映画監督の紀里谷和明先生に「クリエイティブを生むための発想法」について生放送で質問しよう!』を受講してみました。
真っ直ぐでブレない紀里谷さんの言葉がとても響いたのでシェアしたいと思います。

60分の生放送!紀里谷さんの思考を垣間見る

受講した授業はこちらから録画版を視聴する事ができます。

放送を聴きながら取ったメモを基にまとめました。書き起こし(文字お起こし)ではないです。本当にメモなので読み辛い点も多々あるかと思いますがご了承ください。
テーマに沿ったお話のほか、視聴者からの質問にも答えてくれています。

テーマ1.渡米経験・生活で得たもの(15歳で渡米)

・「~をやめろ」という教育がダメだという感覚が小学生の頃からあり、中学2年で渡米。

センスが全てではない

・日本では、センスがあればいいみたいなことがあまりに言われているが、「センスがあればいい」というのが円満し、基本が蔑ろにされている。その結果、歌手なのに歌えない、医者なのに診察してくれない等の事が起こる。

・天才という言葉は努力をしない奴の言い訳。
裏にものすごい努力がある。

何もしないでやっていけると勘違いしている。
・「楽にダイエット~」できるわけない。
・「ウチの大学にくれば○○できる。」→行っただけでできるわけ無い。

大学だって結局経営だし、生徒に来てもらいたいがために、言いたいことも言えずにやっている。
これが全てにおいて起こっている。

視聴者からのQA

Q:子供時代に客観的に自分や環境をみられたのはなぜですか。
A:父親に頭が上がりません。小さい頃から子ども扱いしない人だったから。現場にも連れて行かれました。働けと言われたり、現場に行ってゴミ拾いをしたりした。
道に迷ったら聞け。口が付いていると。

子供はシビアに見ている。嘘は一発で分かるけど、それを見せてはいけないと理解している。
どいつもこいつも演じている。言うと煙たがられるのを恐れて言わないの。ボクはそれをぶちまける。

Q:学歴社会についてどう思うか?
A:椅子取りゲームになっている。競争が同じクラスの人でも、相手が失敗すれば自分にチャンスがまわってくるようになっている。
そうじゃなくて、全員80点以上とれば全員助かるようにすれば良いのに。そうすればみんなで助け合える。
椅子取りゲームが延々しみついてると思う。
相対評価で「他人を妨害したほうが自分が上がれる」という発想になっている。

Q:学生時代、人生を変えた出会い言葉はありますか
A:学校。周りの人が応援してくれてた。何するにも応援してくれた。可能性が無限なんだ。出来ないことはないんだと徹底的に教えてくれた。

テーマ2.クリエイティブな仕事を生み出し続ける秘訣と志

Q:クリエイティブなものを生み出す秘訣は?
A:ないです。そういのはゲームを買ったのに攻略本を買っているようなもん。
苦労するためにゲームを買ったのに、近道をしようとする奴は成功しない。そんなことで成功すれば全員お金持ちですよ。
断言します。

作品を見てもらい分かってもらうには、その要素が観てもらう人の中に必ずある。
つまり、誰でもその発想は持っているのに、心のどこかで「私は、、、だからできない」と言っている。

それだけの事。俺はそれをやる。

100パーセント頭の中にあるものをどうアウトプットするか。92パーセント出せたのに、80パーセントになり、気がついたら10パーになっているかもしれない。自分で自分に言い訳している。

Q:紀里谷さんがご自身の仕事を通じて伝えたいメッセージは?残したいものは?
A:残したいものはありません。残らないと思うから。歴史に名を残したいとか全く思わない。
自分の可能性をそぐのは止めませんかかと言いたい。

「日本人だからできない。」「女の子だからできない」

出来ない事もあると思うが、やってみないと分からない。
傷つくことを恐れて、失敗したらどうしようかと思ってる人があまりにも多すぎる。

分からないじゃん。何をそんなに恐れているのか。

人生高々100年。リスクヘッジをして何をしているのか。死んだら全てなくなるのに。所有は幻でしかない。それを守るために何を犠牲にしているのか。リアルなものは人の感情だけ。

Q:努力の仕方が分からない。何から始めればいいか分からない人へどんなアドバイスを送りますか?
A:自分の大切な人を思い浮かべてください。その人が病気になったとします。
そうしたら、必死で調べますよね。行動しますよね。そういうことだと思います。

映画でも料理でも何でもいいと思います。分からなくても全力をかけてやれば良いと思う。そこで人間としての充実感が得られると思う。

Q:日本の教育に染まった人がそこから抜け出すには?
A:それは、まず国から出てみてはいかがでしょうか。旅行でもなんでも。
これもこれまでの質問と同じで、染まったと決め付けてるわけですよ。向き合うことから始めないと。

自分の殻を破る、既存の常識を変える

~しないといけないのではないかという恐怖心。自分が自分であることへの不安。
勉強ができないといけない、足が速くないといけない。それを克服するために色々努力するわけじゃないですか。その過程で、これを成し遂げるにはこれが必要という考え方になってしまいます。

お金が必要とか。時間がとか。
この商品を買わないとモテませんよ。この教育をうけないと敗者ですよ・・・と。永遠とありとあらゆる分野で起こっている。

どこかで本当にそうなのかと思い始めた。

本当に俺は欠けているのか・・・?と。
俺はかけていないのではないかと気づいた。

五歳の自分は欠けているものを埋めようとしていた。(欠けているものなど無いと)父親が気づかせてくれた。

欠けている部分を埋めようとして、それで幸せならよいと思う。

何をもって幸せなのか?

自分の不甲斐なさは何なのか徹底的に向き合う事で見えてくる。

視聴者からのQA

Q:「なぜ人と比較してしまうのかということについて、紀里谷さんのご意見をお聞きしたいです。
A:カルマ。親がまず気づかないといけない。親が出来なかったことを子供に押し付てはいけない。
親が「自分はそれで問題ないんだ」と認識すること。

親は自分になかったものを子どもに与えたい。自分のスケープゴートとしての子供という時点で全てが始まっている。
親は自分の動機がそこにあることに正直に気づき、押し付けない。

Q:他人からの評価に振り回されるなかでクリエイティブを生み出すコツはありますか
A:またコツの話ですか。自分がクリエイティブだと思うことを一生懸命すればよいと思う。

Q:最近、紀里谷さんがCMを撮影されたりと少し仕事を選ぶ基準が変わってきているのかと思っています。その感覚やクリエーションの変化はどのようなところからきていますか?
A:何かの影響を与えると言う事はか関わっていかないといけない。おこがましい言い方だけど。
企業も根本は悪ではないと思うんです。関わることで可能性を伸ばすことができる。

「今までの回転を全く逆にすれば新しいものができるのではないか?」という考え方もあると思う。実験の一環です。

Q:最後にメッセージをお願いします
A:やっぱり恐れることなく、自分の足で前に進むべきでないかと思います。

まとめ

紀里谷さんは一貫して「自分で自分を否定しない事」を仰っていました。
渡米して学生生活を送る中で、「可能性を信じること」を学び、今に繋がっているように感じました。考え方がとてもシンプルで、言い訳をしない生き方が数々の素晴らしい作品を生み出しているのかもしれません。
これからの作品も要チェックです!

授業全体の感想としては、もうちょっといろんな角度からの質問があれば面白いかなと感じました。紀里谷さんも途中で「またですか」と言っているように、同じような事を何度も言わせているような印象がありました。

あと、凄いと感じたのは60分の生放送で、時間きっちりに話をまとめられていた事。さすが監督ですね・・!
あっという間の60分、気になる方は録画版をチェックしてみてください。

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