家紋中心の2017年9月ブックレビュー

9月の勉強会のテーマが家紋だったこともあり、家紋中心の本を洗い直しました。新たな知識を蓄えたり、知っている事の復習に大いに役立った本をご紹介。

家紋の勉強に!デザインに役立つ情報も意外とあった

イラスト図解 家紋 (イラスト図解シリーズ)



家紋の基礎知識補充に役立ちます。家紋の歴史や、「植物紋」「動物紋」などジャンルごとの家紋紹介など。「イラスト図解」とあるように、掲載家紋数が大変多く、文章も読みやすいです。家紋って一体なんだ??な人はここから始めると入りやすいと思います。

家紋から日本の歴史をさぐる―源平・南北朝・戦国時代の武将を網羅



これも「イラスト図解 家紋 (イラスト図解シリーズ)」と似た書き方で、分かり易くイラストが多いです。
こちらは、タイトルにもあるように、源平合戦や応仁の乱など戦についても触れています。ゴリゴリの専門書というよりは分かり易くライトに触れているので歴史苦手な人にも読みやすいかと。また、デザイナー的視点で役に立ったのは、家紋の「変形パターン」としてアレンジ方法が紹介されている事。
ページ数にして6ページ程ですが、このページの為に買いました。ロゴ制作のインスピレーションにも繋がりますよ。

卍の魔力、巴の呪力―家紋おもしろ語り (新潮選書)



著者の泡坂妻夫さんは紋章上絵師さんかつ、小説家というユニークな経歴の方です。紋章上絵師ならではの視点や経験に基づく内容なので、個人的にとても面白く興味深く読ませて頂きました。タイトルは「卍の魔力、巴の呪力」ですが、それ以外の紋についても触れてあります。亀甲、麻の葉、籠目などメジャーな紋についてもまとめてあります。アレンジの仕方や、家紋のデザイン的美しさについても触れてあり、デザイン面でも勉強になりました。そして紋章上絵師さんならではの内容は、家紋の描き方が紹介されていること。もちろん手描きでの書き方なのですが、美しい紋を仕上げる方法が紹介されています。イラストレーターで描いたらどうなるかな?と考えながら読ませて頂きました。

日本人が知らない家紋の秘密 (だいわ文庫)



本のサイズがコンパクトなので持ち運び安くて良いです。かなり攻めたタイトルですが、割と知っている内容でした・笑
上で紹介した「イラスト図解 家紋 (イラスト図解シリーズ)」「家紋から日本の歴史をさぐる―源平・南北朝・戦国時代の武将を網羅」を読んでいれば、知っている内容が多かったです。この本の特徴は、歴史上の偉人の家紋を多く紹介している事。ほとんどそれがメインです。武田信玄、伊達政宗はもちろん、西郷隆盛、坂本龍馬から福沢諭吉、森鴎外などなど。歌舞伎俳優、落語家、力士の家紋も沢山紹介しています。和風デザインとはちょっと切り口が違ったかなという印象。日本の歴史を築いた人たちの家紋が知りたい人には良いと思います。

デザインノート No.67: 最新デザインの表現と思考のプロセスを追う (SEIBUNDO Mook)



和風デザインに興味ある人は買いの1冊!これはおススメです。一冊まるまる和風デザインにつて取り上げられていますし、モダンにアレンジした「和風デザイン」を知る事ができます。「東京江戸ウィーク」のロゴをデザインされた紋章上絵師の波戸場承龍さんの記事もあり、家紋風ロゴにもついても学べます。
波戸場さんの制作実績や、なんとロゴ制作の過程まで掲載されています。
イラストレーターの使い方が独特で、新たな発見がありました。
東京江戸ウィークについての記事こちらで紹介していますのでよければ。

東京江戸ウィーク

Illustratorジャパンメソッド



illustratorのチュートリアル本です。著者の井上のきあさんはWEBやグラフィック業界では有名な方ですね。内容はというと、表紙にメインで載っている金魚のチュートリアルがあるのかと思っていたのですが・・・無かった!まさかまさかの展開。明らかに図形利用では描けない描き方なので、そこは逆に察するべきだったのかも。
紹介されている和柄はどれも超簡単に描けるものばかり。これからイラレを始めようとする人には良いと思います。ただの円とか円を利用した蛇の目の描き方とかあります。逆に、基本機能は分かっている人には物足りないと思います。

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