以前、日本の伝統技術である「組子」を紹介しました。今回は、精巧に編まれた竹細工をご紹介します。
組子と同じく文様は100パターンを超えるそうです。
美しい竹細工から和紋のデザインインスピレーションを得られるかも!
職人の手仕事 九州の竹細工
福岡県八女市の伝統竹細工
古くから日本人の生活に根付いていた竹細工。昔はどの地域にも竹細工の職人さんがいたそうですが、特に九州が有名です。まずは、福岡県八女市の八女竹細工をご紹介します。
八女地方には、さまざまな伝統工芸品があり、多くの技が引き継がれています。昔から良質な竹の産地で、竹が豊富だったことから、竹を材料とした竹細工も、そのなかのひとつです。八女の竹細工は「宝永年間(1704~11年)に福岡藩の浪人が八女に寄留した時に伝えたものと、日向の高鍋から移り住んだ浪人が伝えたものが一つになり広まった」とされており、300年に渡る伝統を誇ります。
なんと300年を誇る伝統技術なんですね!
八女地方の伝統工芸を紹介したサイト「八女の手仕事」の中に、竹細工の編み方を紹介したコーナーがありました。その数なんと120種類!!
四つ目・六つ目・八つ目などの基本的な編み方があり、それらを組み合わせて様々な模様ができるそうです。
下の写真は六つ目編みの作例になります。ぜひ八女の手仕事サイトから職人技をご覧になって下さい。六つ目菊とかどう編んでるんだろう・・・
一番左上の「六つ目」は、和柄では籠目と呼ばれています。これがスタンダート言うか、一番認知されているのかなと思います。ちなみに籠目は、五芒星に似ていることから魔除に取り入れられていました。
大分県別府市の伝統竹細工
続いて、別府竹細工をご紹介します。別府と言えば温泉のイメージが強いですが、竹細工も有名なんです。
別府竹細工の伝統を残すため、大分県竹工芸・訓練支援センターという日本唯一の竹細工専門学校があります。
伝統的工芸品については、「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」という法律が あり、その法律に基づいて全国に様々な工芸品が指定されています。
別府竹細工もその1つで、昭和54年に通産省(現 経済産業省)から伝統的工芸品の指定を受けました。
別府竹細工の技法として、「四つ目編み」「六つ目編み」「八つ目編み」「網代(あじろ)編み」 「ござ目編み」「松葉編み」「菊底(きくぞこ)編み」「輪弧(りんこ)編み」が指定されており、別府竹細工の基本的な編組技術として受け継がれています。
また、これらの編組の組合せによって、200種類以上の編み方が可能です。
編み方200種類以上!!まさに職人技です。
竹細工は、竹ひごの良し悪しで仕上がりが変わってくるそうです。一本一本丁寧に作業されているんですね。
最後に
竹細工を作るには、竹を切って油抜きし、細かく割って竹ひごを作り・・・と時間がかかります。
かかる手間と販売価格が見合わなかったり、技術習得に時間がかかるため職人さんが減少傾向にあります。
古き良き日本の伝統技術を見直すきっかけになれば幸いです。
以前紹介した組子の記事はこちら
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