誕生50周年記念ぐりとぐら展@東京に行ってきましたレポート

2013年、ぐりとぐらが誕生して50周年を迎え、各地で展示会が開催されています。東京都松屋銀座での展示会に行ってきたのでレポートします!

愛され続けて50年。ぐりとぐらの秘密を垣間見る。

ぐりとぐらは、中川李枝子さんと山脇百合子さんの2人によって生み出されました。
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当時保育士だった中川さんが「目の前の子供たちを楽しませたい」という思いで書き上げたのが始まりです。その中川さんのストーリーに挿し絵をつけたのが妹の山脇さんです。

会場にはぐりとぐらの原画の他、デビュー作「いやいやえん」や「そらいろのたね」などの原画やなども展示されていました。ぐりとぐらに縁のある大きなたまごのオブジェがあったりと、子供から大人まで楽しめる空間でした。この写真は入場券です。(会場内は撮影不可)
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何度も何度も練り直す

ぐりとぐらは、シンプルな話と挿し絵で構成された童話。
しかし、その制作過程ではギリギリまで何度も練り直していたそうです。
「ぐりとぐら」という名前を付ける際も、男の子でも惹きつけられる名前はないか…とあれこれ探したそうです。
この辺りの事は会場で販売されている冊子に詳しく書かれていました。

挿し絵担当の山脇さんもねずみや野菜など、お話に登場するサンプル探しに悪戦苦闘されていたようです。当時はネットでサクッと言うわけにはいきませんしね…。

目の前の子供たちのために

会場では宮崎駿さんと中川さんの対談の様子が上映されていました。
宮崎さんはぐりとぐらを映画化しようと考えていたそうです!幻となってしまいましたが…。宮崎さんは中川さんの事を「子供側の視点で発想できる人」と話しています。宮崎駿さんも子供たちに向けた愛溢れる作品が多く、「子供たち」は2人に共通するキーワードなんですね。

中川さんは保育士時代「欠席者がひとりもいない園に」と園長先生に言われていました。
当たり前のようでなかなか難しい事ですよね。保育園行きたくない…。学校行きたくない…。会社行きたくない…。いつの時代も誰にでも起こりうる感情ですから。

「子供たちを毎日楽しませるには」を本気で考え、子供たちと向き合った中川さんだからこそ生まれた作品なんだと思います。

スーパーヒーローじゃない

ぐりとぐらは悪者を成敗するヒーローでもなければ空を飛ぶスーパーマンでもありません。
ただの2匹の野ネズミです。いつも仲良く、大好きな料理を作り振る舞い楽しく過ごす。

宮崎駿さんは対談の中で、「いやいやえん」のしげるが大好きだと語っています。冒険に出て、賢くなって帰ってくる…。そんな事が一向に起こりません。同じ事を繰り返し、賢くならないまま終わる。しかし、それがしげる(=子供)であり、それでいいんだと教えてくれる魅力があると。
ぐりとぐらにも同様の要素がある故に、私たちに安心感と共感を与えてくれるのかもしれません。
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ぐりとぐらのライバル

ぐりとぐらを生み出す上でライバルとしていた作品があるそうです。何だか分かりますか?

それは「ちびくろサンボ」。
こちらも世代を超え、国を超えた名作ですね。今はなかなか見られなくなっていますが…。

ぐりとぐらも今では世界11ヶ国語に翻訳され、子供から大人まで愛される作品となりました。
子供の頃、読み聞かせてもらったお話を、我が子に読み聞かせているパパさんママさんも多いのではないでしょうか。なんとも素敵な事ですね。

最後に

改めて50周年おめでとうございます。
「ぐりとぐら展」、可愛いから行ってみようのノリで足を運びましたが、学ぶ事が沢山ありました。
ジャンルは違えど作り手として、原点に帰ったような気分になりました。「誰のため」「何のため」「そのためには…」を徹底して考える事を改めて教えてもらった気がします。また、常に新しいもの・変化を求めるだけでは無く、変わらないもの・長く愛されるものを考える事も必要だなと思いました。
何より「愛を持って取り組む」事が大切ですね。
子供たちへの愛が溢れた「ぐりとぐら」。より一層好きになりました!

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