約80年前に創業した佐野意匠型紙店(現・株式会社キョーテック)には着物のデザイン型紙が約1万8千点余り眠っていたそうです。
これらを眠ったままにするのは勿体ない!京都の優れた型紙デザインを世界に発信したいと、立命館大学アートリサーチセンターの協力の下、アートアーカイブサイト「デザイナーズインスピレーション」を立ち上げました。
このアーカイブサイトはデザインだけではなく、型紙の解説も掲載されています。これは和風デザイン好きはありがたい!
優れたきもの古典デザインを世界に発信したい。熱い想いが実現させたプロジェクト
現在キョーテックは染織ときもの業界を卒業し、電気とインテリアを主軸に事業活動されているようです。
きもの界から離れたとはいえ、先代の貴重なデザインを眠らせておくのは勿体ない。
型紙を撮影・デジタル処理を加えるなどし、約7年の月日をかけて、アーカイブサイトを立ち上げました。
時が経ち現在は使わなくなった型紙をこのまま朽ちさせるには忍びないと、地元 立命館大学の美術アーカイブ界権威の先生とコツコツとデジタル撮影をはじめ、7年越しでようやく今年日本一の検索可能な型紙デザインアーカイブが完成しました。創業者が望んだように日本の優れたきもの古典デザインを、日本のみならず世界のデザイナーに知っていただき少しでも活用いただければ、出身のきもの業界へも恩返しになるのではと考えています。
月変わりで楽しめる「今月の型紙」
トップページには「今月の型紙」がピックアップされています。2017年7月は「蜻蛉(とんぼ)」。
スクロールすると、蜻蛉の文様についての解説が表示されます。
さらにスクロールすると、デザイン型紙の紹介。
1万8000枚のコレクションの中で11点、蜻蛉の型紙が確認されたそうです。
デザイナーズインスピレーションの解説を読んでいると、キョーテックの歴史を垣間見れているような気分になります。
サムネイル付きでアーカイブを楽しめる
2014年から運営されているこのサイト、現在34アーカイブが掲載されています。
レフトナビにサムネイルとタイトルが表示されるので、気になるデザインを選択してみて下さい。
このキャプチャでは右側に鳳凰が表示されている状態です。
アーカイブプロジェクトのブログもある
もっと型紙デザインについて知りたい人は、ブログもおススメです。
型紙の解説はもちろん、プロジェクトの裏側についても公開しています。
そもそも着物の染色に使う型紙って見た事ありますか??
ブログから引用させて頂くと、このようなものらしいです。
これが1万8000枚・・・・整理するのも一苦労なのが窺えます。この1万8000枚の中に、蜻蛉の図案は11枚。と言った具合に、描かれている文様の数を数えているので更に大変。サイト公開までに7年かかったのは納得です。
まとめ:先人が積み上げてきたデザインを丁寧に紹介しているサイトです
昭和8年創業なので、昭和の人々に受け入れられやすいモダンな柄が多く紹介されています。
また、蜻蛉ひとつを取ってみても描き方は様々。同じモチーフでも組み合わせや描き方で様々な印象を与える事ができるのだと分かります。
息抜きに眺めているだけでも勉強になる&インスピレーションに繋がるサイトなので是非ご覧になって見て下さい。毎月1日に更新されるので、お見逃しなく!
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