おめでたいときに使える文様=吉祥文様(きっしょうもんよう)と言います。
入学、卒業、出世、結婚、出産・・・人生の節目節目におめでたいイベントはやってきます。
吉祥文様の意味を知って贈り物などに取り入れてみては如何でしょうか!
※記事タイトルは和柄と表記していますが、吉祥文様の紹介です。
文様に馴染みのない人は「和柄」で検索する人が多いので。
日本人は文様に願いを込めていた
日本文化・歴史をさかのぼっていくと、願掛けや縁起の良い物を取り入れる事を日常的に行っていたようです。
数ある日本の伝統文様にも、吉祥文様と呼び、めでたさを表す文様があります。
今回はライフイベントに取り入れやすい吉祥文をご紹介します。
頑張ろう受験生!学問と相性のよい吉祥文は梅
学生にとって受験は「受験戦争」と呼ばれる程辛い戦いですよね。そんな受験を乗り越えて合格を掴み取ったらお祝いしましょう。松竹梅にも含まれている「梅」は学問の象徴でもあります。
「受験生が大宰府の鉛筆を使うと合格する」なんてジンクスを聞いた事ありませんか?福岡県の大宰府天満宮は学問の神(菅原道真公)が祀られており、梅の名所としても知られています。「太宰府名物 梅ヶ枝餅」も美味しいですよー。
仕事で活躍できますように。立身出世は鯉。紅葉。
竜門の滝と呼ばれる急流を登り切った鯉が竜になったという故事から立身出世の象徴として用いられます。鯉の滝登りとも呼ばれ、逆境に打ち勝ち出世する姿に例えられています。
現代の日本でも五月に鯉のぼりを上げますが、これは元々男の子の成長や立身出世を願った風習です。
また、紅葉も立身出世として武士に好まれた文様の1つです。これは紅葉の形が鶏の鶏冠に似ている為です。中国では古くから鶏は吉祥の動物として扱われていました。中国語で鶏(雞)の発音が「吉」に似ているから縁起がいいとされています。
他にも鶏冠の「冠」と「官」の発音が似ており、「封官進爵」(立身出世)として扱われています。
中国語の「雞」は「吉」と発音が近く、「公雞」(雄鶏)の「公」と「功」、「雞冠」(とさか)の「冠」と「官」、「雞鳴」(時を告げる鳴き声)の「鳴」と「名」も語呂合わせできることから、鶏は古くから吉祥の象徴とされてきました。このほか、鶏は「功名」や「封官進爵」(立身出世)の寓意としても扱われます。
出戻りしない。結婚と相性が良い吉祥文は矢絣(やがすり)
女学生に愛された矢絣も吉祥文様です。弓矢の羽を文様化したもの。
弓矢は射ると戻らない為、婚礼の吉祥文として使用できます。
現代風の解釈をすれば、「ハートを射る」として恋愛成就にもマッチしますよ。
安産祈願。出産と相性が良い吉祥文は梅
学問の象徴として上述しましたが、「産め=梅」として安産祈願にもマッチします。こういったダジャレ的な意味づけも意外と多い文様の世界。
すくすくと育ちますように。成長を願う吉祥文は麻の葉
比較的目にすることが多い、メジャーな文様。麻の葉は成長が早い事から、子供の成長を願う吉祥文として扱われています。生まれた子供を包む産着に描かれている事もあり、出産祝いにもマッチする文様。
長生きしてね。長寿と相性が良い吉祥文は鶴、亀、唐草、松、菊など
長寿を願う文様は沢山あります。今は長寿大国と呼ばれる日本ですが、昔は今より平均寿命が短かったですしね。「鶴は千年、亀は万年」と呼ばれ、鶴亀文は長寿の代表格文様。他にも生命力の象徴である唐草や松、延命長寿の漢方薬として使用された菊などもあります。
いいことありそう。なんだか世の中いい感じは鳳凰(ほうおう)。
中国から伝わった文様は多くありますが、鳳凰もその一つ。鳳凰が現れると、良い事の前触れとされています。また、桐竹鳳凰文は天皇だけが使用する事の出来る格式の高い文様でした。
婚礼衣裳のレンタルを行っている「BRIDARIUM MUE」さんのサイトに見事な桐竹鳳凰文が描かれた衣装が掲載されいるのでご参考まで。
これからもずっと。未来永劫を祈るは青海波
青海波も、比較的目にすることが多いメジャーな吉祥文です。青海波は波の文様で、無限に広がる波から未来永劫への願いを込めた吉祥文。あらゆるおめでたいシーンに取り入れても違和感は無いはず。
とにかく色々めでたい時は松竹梅、宝尽くし
おめでたい和柄と言えば、松竹梅を思い浮かべる人も多いかも知れません。文様の知識があまりなくても松竹梅は分かる人が多いです。認知度の高さから和風デザインに取り入れやすい文様とも言えます。
常緑の松、真っすぐ成長する竹、寒い時期に花を咲かせる梅、それぞれの生命力の強さは縁起が良いとされています。また、竹は子孫繁栄を願う文として単独で使う事もできます。
また、様々なお宝を散りばめた宝尽くし。見た目も豪華で「THE吉祥!」の文様。
この上ないめでたさを表す吉祥文様で、婚礼を始め祝儀に多く用いられます。 宝尽くしに散りばめられているお宝は「如意宝珠、宝やく、打ち出の小槌、金嚢(きんのう)、隠れ蓑、隠れ笠、丁子、宝剣、宝輪」などがありますが、この限りではありません。地域や時代によって差があるようです。
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