俳優の小栗旬さんを起用したペプシのCMをご存知でしょうか。現代版桃太郎のストーリーが展開されていて、現時点で第二弾まで放送されています。
一目見てこのCMに引き込まれたので、ご紹介します!ここで描かれている桃太郎像とは・・・?を中心にあれこれ考えてみました。
日本を代表するヒーロー。桃太郎物語とは
まずはここから。
桃太郎のお話を一度は耳にしたことがあると思うのですが、昔と比べストーリーが変わっているそうですよ。
私が知っているのは、
「桃太郎」が、お婆さんから黍団子(きびだんご)を貰って、イヌ、サル、キジを従えて、鬼ヶ島まで鬼を退治しに行く物語。
まさにこれなんですが、今は「鬼退治」の表現がまろやかになっているらしいですね。
以前テレビで紹介されていたのですが、
- きびだんごで、お供を従える(服従させる)
- 鬼を退治する
描写が問題視されているとか。
なので、
- 桃太郎とイヌ、キジ、サルはそれぞれ対等の関係
- キジによる目潰しの描写がなくなっている(危ないから・笑)
- 持ち帰った宝は持ち主に返却
となっているようです。
びっくりです。個人的には何でもかんでも暴力だの差別だのって騒ぐのはどうかと思いますが・・・。
と言いつつも、家来を従えて鬼を退治するストーリーも書き換えられたものなんですけどね。大元のお話は、桃から生まれたわけでは無いんです。
気になる方は各自調べて下さい・笑。
「自分より強いヤツ」とは?桃太郎の舞台裏
では、ペプシCMの桃太郎についてみて見ましょう。
小栗旬さん扮する現代版桃太郎がこちら。
かっこいい・・・!
CMもペプシサイトより公開されています。まるでハリウッド映画のような桃太郎です。
このCMのキャッチは「自分より強いヤツを倒せ FOREVER CHALLENGE」
桃太郎にとっての「自分より強いヤツ」=「鬼」ですね。
ここでちょっと意外に思いました。実際の物語では、桃太郎が鬼退治に苦戦した描写はありません。まるであっさり鬼を退治して宝を奪ったかのように描かれています。
見方によっては弱い者いじめと捉える人もいるかもしれません。だから描写が変わった可能性もありますし。
少し話が逸れますが、2013年度 新聞広告クリエーティブコンテストの最優秀賞に選ばれた作品をご存知でしょうか。
赤鬼の子供が「ボクのお父さんは、桃太郎というやつに殺されました」と涙を流しています。桃太郎の視点では「めでたし、めでたし」だけど、鬼の視点ではそうでは無いと。
これは悪者は成敗されるという昔話の鉄則を覆した斬新な広告ですね。鬼って本当に悪かったの・・・?とすら思えます。
さて、話を戻して、昔話の鉄則としてもう一つ外せないものがあります。
それは「主人公は強い」小さな一寸法師ですら鬼を退治します。正義は勝つ。
誰もが憧れるヒーロー。桃太郎もそんな風に描かれていると思います。
しかし、このペプシCMで描かれている桃太郎は違います。
「自分より強いヤツに向かう」チャレンジを続ける桃太郎です。
『桃太郎「Episode.1」』では、桃太郎が鬼に敗れた姿が描かれていました。
イヌ、サル、キジに出会う前、鬼に敗れた桃太郎は宮本武蔵の元を尋ねます。
現代版桃太郎は人間臭い魅力を持つ
Twitterでもつぶやいたのですが、鬼に負けた桃太郎が宮本武蔵の元へ向かうことに違和感を覚えました。
珍しく連投ごめんなさい。
ペプシCM、おとぎ話の主人公が実在の人物(宮本武蔵)より弱い事に違和感を感じたのだけど、それもあえてなのかな。彼らもスーパーマンでは無く一人の人間で、強い奴に向かって努力したのだと。桃太郎大好きだから撮影の裏話聞きたい。— いろは@和風デザイン (@hananooto_web) June 7, 2014
何と言うか、物語のヒーローは実在の人物より強いのが当たり前だと思っていたから。桃太郎は武蔵より弱いんだ・・・と若干ショックすら覚えました。桃太郎大好きなので。
そこで気になったのがなぜ「宮本武蔵」なのか。
江戸時代初期の剣術家、兵法家。二刀を用いる二天一流兵法の開祖。また、重要文化財指定の水墨画や工芸品を残している。また別格顕彰を授与され歴史的にも天下無双の呼び声が高い人物である。
『五輪書』には13歳で初めて新当流の有馬喜兵衛と決闘し勝利、16歳で但馬国の秋山という強力の兵法者に勝利、以来29歳までに60余回の勝負を行い、すべてに勝利したと記述される。
「天下無双の呼び声が高い人物」「無敗」・・・なるほど。桃太郎はそんな武蔵の元へ向かったわけですね。
日本の歴史上、最も強い(可能性がある)剣術家の元を訪れる・・・と言う事は、桃太郎も人間として描かれているのではないかと感じました。最初から強い無敵のヒーローではなく、一人の人間として。
そして武蔵と別れた後、イヌ、サル、キジと出会います。
桃太郎が仲間と鬼ヶ島へ向かったのも、武蔵との出会いが影響しているのかななんて想像してしまいます。
※一説によると、武蔵は巌流島の決闘に仲間・あるいは弟子を連れていたとされています。それが良いかどうかは分かりませんが・・・
現段階で放送されているのはここまで。
続きはどんな展開が待っているのか楽しみです!
ペプシにとっての「自分より強いヤツ」とは
ここで忘れてはいけないのが、ペプシのCMである事。
「現代版桃太郎」がペプシなら、「自分より強いヤツ」は・・・?
ペプシのサイトを見ると挑戦的なページがありましたよ。
500名を対象に、コカ・コーラ ゼロとの飲み比べを実施。その結果、61%の人が新しいペプシNEX ZEROの方がおいしいと答えました。
この勝利は偶然なのか。必然なのか。すべての人がペプシNEX ZEROを選ぶその日に向けて、私たちの挑戦はつづきます。
桃太郎のCMで表現されているFOREVER CHALLENGEへの決意表明とも取れる力強さを感じます。
まとめ
思うままに書きましたが、結局はペプシCMカッコイイなって事が言いたいだけです・笑
このCMの桃太郎は「スーパーマンではない一人の人間」と感じました。
鬼は「村を荒らしている」のですが、重きを置くのはそこではなく「強いヤツ」の象徴なのだと思います。「コカ・コーラ」=「悪い鬼」ではなく、「強いヤツ」なんでしょうね。
みなさんは強いヤツにチャレンジしてますか?CMの続編が楽しみです!
2014年12月10日追記:Episode.2についての記事も書きました!!
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